NVIDIA Omniverse でデジタルツインを構築するワークショップに参加しました #AWSreInvent
こんにちは、製造ビジネステクノロジー部の若槻です。
NVIDIA Omniverse は、半導体メーカーである NVIDIA が提供する 3D 開発プラットフォームです。
今回、AWS re:Invent 2024 でこの NVIDIA Omniverse を利用してデジタルツインを構築するワークショップに参加してきたのでレポートします。
セッション概要
セッション概要(引用)は下記の通りとなります。
CMP315 | Creating immersive 3D digital twins from photos, videos, and LiDAR
Join spatial computing specialists as they show you how to build a digital twin in this interactive workshop using NVIDIA Omniverse. Using provided photos, videos, and LiDAR sources, you build a real-time 3D replica of a bike factory demo and compare your digital twin to the physical demo on the Expo floor. You must bring your laptop to participate.
(日本語訳)
このインタラクティブなワークショップでは、空間コンピューティングの専門家が NVIDIA Omniverse を使用したデジタル ツインの構築方法を説明します。提供された写真、ビデオ、LiDAR ソースを使用して、自転車工場のデモのリアルタイム 3D レプリカを構築し、デジタル ツインを Expo フロアの実際のデモと比較します。参加するには、ノート PC を持参する必要があります。
セッションのさらなる詳細情報はこちら
- Speaker
- Brian Kreitzer, Sr. Partner Solutions Architect, Amazon Web Services
- Jeremiah Habets, Principal Solutions Architect, AWS
- Date:
Wednesday, December 4
- Time:
1:00 PM - 3:00 PM PST
- Location:
Mandalay Bay | Level 2 South | Oceanside D
- Session types:
Workshop
- Topic:
Compute
,Internet of Things
- Industry :
Cross-Industry Solutions
- Area of interest:
Application Integration
- Level:
300 – Advanced
- Role:
Data Engineer
,DevOps Engineer
,Solution / Systems Architect
- Services:
Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)
,AWS IoT Core
レポート
まずはじめに NVIDIA Omniverse の概要について説明がありました。説明によると NVIDIA Omniverse は次のような概念から構成されるとのことです。
- NVIDIA Omniverse Workstation: NVIDIA Omniverse がデプロイされて稼動する NVIDIA RTX グラフィックが搭載された環境です。
- NVIDIA Omniverse Nucleus: 軽量で高速なキーバリュー形式のデータベースエンジンです。このエンジンにより複数のユーザーが同時にコラボーレーション作業を行うことが可能です。
- Universal Scene Description (OpenUSD): 開発者が NVIDIA Omniverse で 3D ワークフローやアプリケーションを記述するためのエコシステム。
予め起動された EC2 on Windows 上に構成された Omniverse Workstation で、今回の EXPO にも展示されていた「e-Bike Smart Factory Machine」のコラボーレーションデモが稼動しており、参加者はこの環境に接続してハンズオンを行うことになります。
環境への接続方法の提供がかなり特徴的で、はじめに一人一枚配られたカードの情報を基に、共有された URL からダウンロードした Zip ファイル内から自分のカードに合致するファイルを探すというものでした。そのファイル内に各参加者の接続情報が記載されています。
接続情報をもとに AWS のリモートデスクトップ機能である DCV に接続し、セッションを作成してみます。
しかしここでスタッフの方からアナウンスがあり、特定の 1 つ以外の環境のサーバーが使用不可となってしまったとのこと。そこで唯一動くサーバーを参加者の全員で共有することになったのですが、接続が集中したからなのかセッションが繋がらなくなってしまいました。
トラブルに見舞われながらもセション残り30分のところで何とか DCV で Omniverse Workstation に接続することができました。下記は USD Composer を使用して Omniverse Nucleus サーバーに接続した様子です。
あらかじめ用意された USD ファイルをドラッグアンドドロップすることで Omniverse に 3D モデルを読み込むことができます。
Materials から色を選択して変更したいオブジェクトにドラッグアンドドロップすることで、3D モデルの一部の色を変更できます。本当は中央の四角いオブジェクトの色を変更したかったのですが、上手くいかず床の色が変わってしまいました。
ちなみにハンズオン手順には右クリックを使用するステップがいくつかあったのですが、Mac で DCV 経由で右クリックを上手くできずにその手順が上手くこなせなかったのには困りました。そしてハンズオンの手順はまだ残っていましたが、はじめのトラブルもありここで時間切れとなってしまいました。
最後に今回のハンズオン環境のシステムアーキテクチャについて説明がありました。
アーキテクチャのハイレベルな構成図は以下の通りです。大まかに Amazon DCV -> NVIDIA Omniverse Workstations -> NVIDIA Nucleus という構成となっています。
アーキテクチャの DCV および Workstation の実装レイヤーを詳細化した構成図は以下の通りです。
アーキテクチャの Nucleus の実装レイヤーを詳細化した構成図は以下の通りです。Lambda でリバースプロキシなんて構成しているんですね。
上記構成はこちらのサンプルをもとに構築できるとのことです。興味のある方はぜひ試してみてください。
おわりに
AWS re:Invent 2024 で、NVIDIA Omniverse でデジタルツインを構築するワークショップに参加したのでそのレポートでした。
「Creating immersive 3D digital twins from photos, videos, and LiDAR」というワクワクするセッションタイトルに釣られて参加し、トラブルのせいで結果として不完全燃焼となってしまいましたが、案件などで扱わない限りなかなか触れないであろう NVIDIA Omniverse にがっつり触れることができたのは貴重な体験でした。
最初の30分で半分近くの人が退室するという若干の混乱もありましたが、同じテーブルでワークショップを受けた同僚の遠藤正俊さんおよびもう一人いらっしゃったアメリカ出身の方とお喋りをしながら楽しくワークショップを進めることができました。
遠藤さんも同セッションのレポート記事を書いているので興味のある方は合わせてご覧ください。
以上